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ヤオ刺し

ヤオ族の刺繍。通称「ヤオ刺し」。通称名があるゆえん、その刺繍はその道の人には有名。理由はその刺繍のステッチの仕方にある。彼らの刺繍は縦糸と横糸とに平行に針を入れてゆく、説明しずらいが糸を斜めにクロスさせたりしない。現代のものはほかの民族との交流により上記によらないが。横の拡大されたステッチをよく見ていただくとその面白さがお分かりになると思う。

過去、現在、未来のヤオ族の刺繍

過去、現在のヤオ刺し。当ページ画像などで紹介した刺繍は雲南省ベトナムよりのものである。本来のヤオ族の持つクロスステッチではないヤオ刺しのものです。雲南、ベトナム、ラオスを囲むこのエリアは伝統ヤオ刺しの残っているエリアです。百年くらい前の写真を集めた写真集にはこのタイプと同じものを身につけたベトナムヤオ族が載っていました。しかし、シーサンパンナ南部の村のものを見るとここには蛍光色豊かな色とりどりの刺繍とクロスステッチが入ってきている。タイのヤオ族の影響を明らかに受けている。タイ側に渡ったヤオ族のものは半分くらいミャオ族のデザインとクロスステッチがうかがえる。そして現代の若い人たちのパンツには全域にわたってクロスステッチの原色のものが施されている。

現代の人たちがなぜクロスステッテを使うかはいろいろな理由からです。それは
刺繍の中では一番簡単な技法だから。それに加えて昔のように隣接する民族との諍いなどはなくなり、結婚するものなども増え、抵抗なく他民族の刺繍が混じり始めたからだと思います。どの国も民族融合を歌い同化政策を打ち出しています。教育も同じ校舎で標準語でなされるようになりました。民族意識の低下もあります。国家相手に太刀打ちできません。

未来にこの刺繍が残る可能性は低いと考えます。現在の若い人たちは、民族という意識より何国人という意識のほうを強く持ち始めています。
このような環境の中急速に西洋化が進み日々彼らの知恵の塊であった生活の道具が失われているのです。

ご参考までに このミェンの本流のヤオ族の広東、湖南の衣装を見に出かけたが、衣装は全く違って藍染一色の刺繍なしの衣装を身につけていた。衣装の形も全く違っていた。どちらかというとラフ族に似ていた。しかし、愛想はないし無協力(非協力ということではない)、無関心なところと黒い衣装のイメージはヤオ族といわれる人々に共通していた。

ヤオの人々

参考資料
LAO MIEN EMBROIDERY Migration and Change by Ann Yarwood Goldman

007.JPG雲南省南部ヤオ族ミェンのヤオ刺004.JPG雲南省南部ヤオ族ミェンのヤオ刺
005.JPG雲南省南部ヤオ族ミェンのヤオ刺002.JPG雲南省南部ヤオ族ミェンのヤオ刺

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