テケ族の布 トルクマン トルクメニスタン
トルクメニスタン、旧ソ連邦で独立国だが、未だ世界に開放されている国とはいえない。気軽に旅行や買い付けに行ける国でもなく私達バイヤーはパキスタン、イラン、トルコ、中国などの周辺国から彼らの品物を仕入れている。それでもトルクメニスタン人(以後トルクマン)はイランや、トルコ、パキスタンでよく会うことができる。絨毯の職工としてトルクマンは各地で働いているからで、腕の良い人が多いとトルクマンは定評であります。
トルクメンの男性も女性も寡黙な方が多い。絶対的な言葉数が少ない。トルコのグランバザール内には数百の絨毯屋さんが軒を連ねているがその中の一軒に、トルクマンジュエリー店がある。そこの店主はほとんど話さない。いつも前を通ると呼び止められお茶をごちそうになり何時間もその店にいるのだが会話がない。精巧で頑丈に作られたトルクマンの銀製品は一点一点が大きくて重い。(いつか時間を作って私の持っている物の画像を載せるが、確か、その銀製品を身につけているので女性の身長が伸びずに、社会的に問題になって法律ができたとか、)とにかく凄く重い上、美しい。それゆえ「もの」が語るということなのか?
話は横にそれましたが、そのせいか彼らの作り上げるカーペットや銀細工、刺繍などは精巧できちっとデザインされ洗練されている物が多い。バック類のフェイス部分の織の細かさなども、「こんな日用品や、実用品にここまで」と思うくらいの作業を費やしている。厳密に言うとトルクメニスタン国のトルクマン人のテケ族の話だが、トルクマン全体にその傾向が強い。トルクマンの布の中でも世界中で定評のあるものが、トルクマン、テケの絨毯。民芸品としての域を超えている細かい織、茶というか赤というか、赤茶の地にギュルという花を抽象化した模様をいれた上品な色調、その配置、バランスのよさ細かく織られているので裏でもキリム風として使えるなんて言われている。一枚は持っておきたい絨毯である。
テケのチャパン 女性用コート 黒地のペースに赤や黄、白の原色が施される
テケ族の女性用コート。チャパンは派手。つやのある強い黒地に、威嚇するような赤黄白色でチューリップの刺繍が施されている。すごい迫力がある。サングラスをかけこれを羽織って道を歩けば避けない人はいない。思わず「姐サン!」と言われてしまうかもしれません。
これに加えてこのチャパンの魅力は、中央アジアの羽織物の裏地の特徴、これが又憎い! インドから輸入された藍更紗やロシアのプリント布などを異文化製品を上手に衣装の裏地に使っている。表地の迫力とは風合いの全く違う花柄模様が多くヨーロッパ調のきれいなものがほとんどです。その裏地の柄はウズベキスタンのウズベク族の項に画像が載っています野でそちらをぜひご覧ください。ヨーロッパと中国に陸続きで挟まれているということも関係しているのでしょう。
画像のものはチュルピーと言い、全体に刺繍が施されています。